これから、翔洋高校サッカー部の指導をするにあたり始めにやったことは先日の敗戦を何度も見ることでした。
試合の内容より私が目を向けたのは3年生の悔し涙です。
あの姿を目に焼き付けることからしか何も始まりません。
あの涙は試合に敗れた悔し涙だったのか、それともやりきれなかった自分に対する悔し涙だったのか、私にはわかりません。
どんな涙だったにせよ、我々残された者たちはその涙をその悔しさを背負っていく責任があります。
3年生には深く関わることはできなかったけれど、3年生の想いを背負って1、2年生と戦っていきたいと思っています。
私は22年間中等部で指導をしてきました。
今回の3年生の敗戦のように受け入れがたい結果を何度も経験してきました。
「勝負は時の運」
サッカーというスポーツも例外ではないと思っています。
しかし、この言葉を使う資格がある者は勝負に対して100%の準備をした者だけです。
戦うからには勝利を目指しますのは当たり前のことですが、勝ち負けが全てではない。
私が勝敗よりも大切にしていることは大切な試合に臨む時に「これだけやって負けるのならしょうがない」と思えることです。
試合後に「試合に負けたことは悔しいけど、悔いはない」と思えることです。
そう思えるような生活、練習にしていきましょう。
私はただの教師です。
みんなを変えることも、チームを強くすることもできません。
今後、みんなが成長し、チームが強くなることがあるとすれば、それは自分達の力です。
人が変わる時、それは唯一、自分自身から変わろうとする時だけなのです。
私はそのサポートをするだけです。
私の体は一つしかありません。
私がいくら頑張ってもできることには限りがあります。
しかし、サッカー部全員の力が合わされば力は無限大です。
不可能なんてない。
素晴らしい歴史をみんなで築いていきましょう。
私の目標は日本一。
簡単なことではないことは知っているつもりです。
しかし、難しいからといって目指さなかったらいつまでたっても夢のまた夢です。
本気で目指すからこそ、次の課題が見えてくる。
君たちの代で成し遂げられなかったとしても、君たちが本気で目指した経験はチームの糧となり、後輩たちへ受け継がれていきます。
いつの日か日本一になった時、私はこう言います。
「君たちが日本一になれたのは君たちだけの力ではない。日本一というとてつもなく高い山に勇気を持って1歩目を踏み出した先輩たちがいたからこそ、君たちの日本一がある」と。
そして、その1歩目を踏み出した先輩たちが君たちであって欲しいと思っています。
信念をもって、日本中に誇れるサッカー部をつくっていきましょう。